牛革の本革と合皮を見分ける方法について、
実例を兼ねた色々な画像と詳細な説明をしています。
私が所有している本革製品/合皮製品の写真を
片っ端から載せていますので、
ぜひあなたの疑問に思ったら参考にしてください。
※写真をクリックすると大きい画像が見れます。
Contents
平面な部分を光に照らして毛穴を確認する
光を当ててみると、本革と合皮はやはり違って見えます。
本革:毛穴が良く見えて奥までしっかりしており、
染色前の色が見える場合もある。
合皮:毛穴がない、もしくは毛穴が奥までしっかりしていない
しかし、最近の合皮はかなり精巧です。
そういう場合、素直にあきらめて断面などを探したほうがよいでしょう。
【合皮】ぼんやりと輝いています。
毛穴がありますが、浅い凹みになっているため、
奥まで穴があいていない。
【合皮】使い込んだ合皮の生地
ぼんやりと輝いています。
毛穴は全く見えません。
【合皮】シボ加工はしっかりされていますが、
輝きがぼんやりしています。
こちらは毛穴が見えません。
【合皮】わかりやすい下手なシボ加工。
さらに毛穴もありません。
【本革】ところどころに毛穴が見えます。
更に毛穴の奥の色も変わっています。
【本革】かすかに毛穴がみえますが、
このような場合は断面を見るのがいいでしょう。
【本革】このタイプは表面を加工しているため、
本革の判別がわかりにくいので、
断面で判断しましょう。
これはダンヒルのパスケースですが、
ルイヴィトンのタイガラインなどもこのタイプにあたります。
【本革】かなりわかりやすい毛穴が見えます。
平面に手のひらを乗せてみる
本革であれば、革が呼吸することによって
少しの間置いていても適度に吸湿してくれます。
合皮の場合は、吸水性が全くないためじっとりとしてきます。
折り曲げて表面が不自然でないか
本革は切断されていない限りは繊維が均等になっていますが、
合皮の場合は樹脂を塗っているので、不自然な浮きやシワが発生します。
(お店の商品をやる場合はほどほどに・・・買い取らされても責任はとれません。)
本革:しっとりと折れ曲がり、曲がりが不自然ではない
合皮:折れやすすぎるか、折れにくいか。また、曲がりが不自然
【本革】しっとりとしており、不自然さがありません。
【本革】自然に折れ曲がっています。
毛穴も良く見えますね。
【本革】一見不自然に見えますが、
これは自然に折れ曲がっています。
【合皮】これがお見せしたかった不自然な曲がりです
布の上に樹脂を塗装してあるので、布と樹脂の間が曲がっています。
また、このタイプは布と樹脂が剥離してしまうので、注意が必要です。
本革を切断したまま露出している断面を探す
やはり、わかりやすいところは断面です。
革製品である以上、どこかに必ず断面があるはずなのでよく探しましょう。
ベルト:ベルト穴
バッグ:裏側の折り返し部分、布に縫い付けてある小物の裏側
財布、名刺入れ:バッグと同じく折り返し部分
本革:コバ処理されている、切りっぱなしで繊維質
合皮:折り返してあったり、柔軟性のある塗料が塗られている
【本革】バッグの持ち手部分。毛羽立っています。
【本革】バッグの小物入れ部分。
こちらも毛羽立っています。
【本革】財布の折り曲がる部分。
毛羽立ちが少しあります。
【本革】財布の直線部分。
こちらも部分的に毛羽立ちがあります。
【合皮】バッグの持ち手部分とベース部分。
塗料が塗られており、革が全く見えません。
【合皮】タブレットケース。
一見本革のようですが、布の切れ端がかすかに見えます。
経年劣化でひび割れが生じていないか
合皮の製品を長く使うと、表面に加工してある樹脂のウレタンやポリエステルがダメになってきて、ひび割れが発生します。
ひび割れの奥にベースとなる布が露出しています。
本革:ひび割れしない
合皮:経年劣化でひび割れする
【合皮】ひび割れが発生していて、布が露出しています。
【合皮】こちらもひび割れがひどく、部分的に布が露出しています。
なお、本革の場合でも保湿をしていない場合は
ひび割れが生じる可能性があります。
お手入れ・保湿の方法についてはこちらの記事をご覧ください。
引っかいてくぼみがすぐ消えるか
所有している革製品しかできない方法ですし、
本革を愛する一人としてこんなことはしたくありませんでしたが、
わかりやすく見せるためには涙を飲みこんで引っかき傷を付けました。
本革:傷つきやすく、すぐ消えない
合皮:傷がほとんどつかず、すぐ消える
【本革】赤丸の部分が引っかいたところ
【合皮】赤丸の部分が引っかいたところ
傷一つありません。
擦れているところにクリームを塗る
本革はしっかり保湿すれば長く使えます。
擦れているところも、クリームで保湿すれば元通りになるかも?
本革:クリームを塗ると色が戻る
合皮:そもそも樹脂なので、そんな見た目にならない。
【本革】手抜きをして保湿していない本革の比較写真
左半分が保湿前、右半分が保湿後
以上、本革と合皮、あなたは見分けられますか?でした。
いかがだったでしょうか?
みすぼらしくなった合皮の製品を2年ごとに買い替えるより、
しっかりとメンテナンスした本革の製品を長く使う方が
カッコイイと思いませんか?
本革はしっかりとメンテナンスをすれば、
さすがに一生ものとは言いませんが
10年、20年と使うことができます。
10年、20年使える本革製品の選び方について
↓の記事にまとめてみました。